豊橋

豊橋で講座をしてきました。
今回は子供たちが多く参加していたので、今までと違ってゆっくり(?)
理解し易く子供たちが楽しめるようにと話を進めました。
私も、若返って楽しんでしまいました。
子供たちは素直で、反応もよく、質問まで飛び出し、
私はこの地区を大変気に入ってしまいました。
でも 先生方は聞きにくかったかも知れませんね。
その後、主催された先生のお宅でプライベートレッスンをしたのですが、
生徒たちがまた素敵!
皆さん笑顔が絶えず、私自身、時間を忘れ、楽しくレッスンしました。
きっといつも指導されている先生が素晴らしいのですね。
子供たちの前向きなエネルギーを貰い、幸福に満ちた心で東京へと向かいました。
先生と生徒がお互い心が通じ合うことの大切さ、
幸福感はお互いに感じられなければ意味が無い、と強く感じた一日でした。
やっぱり 音楽の原動力は心にあるのですね。
また豊橋に行きたいと思っております。

三輪さま

三輪様
今、金髪(黄色?)の三輪様。(当時丸山様)
私が桐朋に在学中に大学に講演に来ました。
かっこ良かったです。
演技などについての話をしたのですが、とても楽しく、
インパクトがありました。
一番覚えていることは
女性が振り向くとき、男性が振り向くときの違い。
女性は首と頭を使って振り返る。男性は肩を使って振り返る。
ヘェ~!そうなんだ~!
私はそのときから、何にでも基本があり、また 方法があり
今までのピアノ練習の仕方についても、考えなくてはいけないなぁ、
と思ったのです。
その頃、桐朋には新設したばかりの演劇科があり、
私はこれを機に千田是也先生の授業をとる事にしました。
(ピアノ科で取っている人は少なかったな。)
言葉は間で感情を込めるとも教えられました。
ある時、先生が私に「吃驚したことを表現しなさい」と言ったので、
思い切り「キャー!」と叫びました。
そうしたら
「いや、違いますね~」
「?!声が小さかったのかしら?では道産子(私は北海道出身なので)の凄さを見せてやる!とばかりに
キャーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!
教室中笑の渦!恥ずかしい…。
答は
「本当に吃驚したときは声がでないのですよ」
感情を込める、表現をするということは言葉を生かすことが大切なんです、
という事も学びました。
ついでに私のなまりについても指摘され、何度も直されたわ~!
安部公房先生の講義も受けました。
今考えると、凄い人たちの話を聞いていたのですね。
よく俳優座の舞台を見学し、レポートを書かされました。
当時、仲代達也さんを多く見ましたね。
今考えれば素晴らしい時間でした。
ピアノだけ練習していてもキャパは広がらないなと悟った時期でもありました。+

人生最初で最後?の往復ビンタ

私の大好きな先生、故井口基成先生に18歳のときに頂きました(笑)
先生との出会いは高校二年生のときコンクールの審査で
札幌にいらっしゃっていたとき初めてレッスンを受けました。
一張羅の服を着て、朝から心臓が止まるかと思うくらいドキドキしていたのは
今でも覚えています。
最初、まるで熊が、いや、グリズリーが立ち上がったように大きくて、怖かった…。
レッスンでは大きな声で話されるのですが、滑舌が悪く
(私が緊張しているせいなのかもしれないけれど)
何を言っているのかよくわからない!
曲の途中で、大声で何か言われたので、吃驚して演奏を止めたところ
「褒めたのに止まるやつがあるか!うわっはっはっはっは」
「…!!」
今まで曲を弾き終わってから「まぁ、いいんじゃない~」
あるいは「悪くないわよ」が褒められたと思っていた私は、
大声=叱られた と思っていたから吃驚しました。
とにかく後は覚えていないけれど、
最後に「お前は上手くなる!」
その一言がその後どんなに辛くともピアノの道を進む、強い思いになったのです。
その後、故永井進先生にレッスンしていただくこともあり、芸大進学を勧められましたが、
基成先生(ぐっちゃん)のインパクトが強く、
何があっても桐朋に行きたいという決心は変わることはありませんでした。
でも良い事ばかりではありません。
ある時、ブラームスのソナタのペダリングを直され、
その後に出てきた同じようなパターンで前と同じペダルを使ったら
「バチーン!バチーン!!」
何が起こったのかわかりませんでした。
叱られたり、怒鳴られたりせず、いきなり往復ビンタ!!
目から星が飛ぶって本当ですね。
一瞬、脳への血が止まるのではないでしょうか。
三秒間くらい記憶喪失になりました。
その後どのようなレッスンをされたのか覚えていません。
怖かったけれど、先生を嫌いにはなりませんでした。
その後のレッスンでも片道ビンタありましたが、
先生の手が出そうなタイミングがだんだんわかるようになり、椅子から立ち上がって逃げることを覚えましたよ。
「何故逃げるか!」
「だって痛いんだもの~!」(あくまで可愛く)(笑)
今考えると、若いから出来たことですね。
先生はただ、「わっはっはっは」と笑って愉快そうでした。
先生は天気予報がお好き?で、レッスン中もテレビを見ます。
天気予報の伴奏つきでピアノを弾くのはなかなかおつなものです(笑)
そのうち私も弾きながら先生と一緒にテレビを見ることができるようになりましたよ。
今考えれば信じられないですね(笑)
本当に怖い先生でしたが、人生で一番好きな先生でした。
何故好きだったんだろう?
初めて私の演奏を褒めてくれたから?
私がマゾだから?(笑)
答えは無いけれども、
ある時「ラフマニノフはな~、果物が腐る寸前の音楽なんだぞ、腐る寸前の果物は甘くて美味い、知っているか?」
私は「???!!?」
でも、この年になってやっと先生が言った意味がわかるような気がしています。
きっとこんなところが好きだったのかもしれませんね。
まだ先生にまつわるお話が色々ありますが、次回にしますね。