二人の生徒

昨年の暮に二人の昔教えた生徒からメールが入りました。
実はそのことを、ずっと考えていたため 更新できませんでした
(言い訳?)
一人は音大に行くはずだったのに(私の後輩予定)高校2年で
ピアノをやめたAさん。
一人は努力し、何度も挫折しながら、
本当に頑張って音大に行ったBさん。
今Aさんは音楽の道で(クラシックとは少し違うけど)活躍し
Bさんは就職し、違う道で頑張っていました。
そして二人に共通なのは音楽が好きで
今とても充実していること、私にピアノを
習い学んだことへの感謝、何より自分に自信を持って生きていました。
特にBさんは毎日音楽を聴いている時が幸せと言っていました。
私はとてもうれしく、
またピアノを教えるとは本当は何なのだろう・・・・
と考えさせられる出来事でした。
音大に行ったからといって、その道のプロになるわけでもない。
大学は学生最後の場所で、社会に出る時、
どの道から歩きはじめるか決める所なのかもしれません。
ですから十分違う道を選択する可能性がありますよね。
いろいろな道でプロに成長していくことになるのですが
ではプロとは何なのだろう?
以前ある生徒に
「先生!いつになったらプロと呼ばれるようになるのですか?」
と聞かれたとき
「プロとは自分が決めることで、人が決めることではない」
と言った記憶があります。
プロとは自分を高めることであり、それを怠るとプロであったとしても
プロでなくなるのかもしれませんね。
それぞれの生き方のため
彼女達はピアノを習っていたのかもしれません。
道は違っても、
それぞれの道でプロとして頑張っている二人に
エールを送ります!

コンクールで思うこと

間があいてごめんなさい。
コンクールの審査等で多忙な毎日を過ごしていました。
コンクールが続く時期も一区切りつきましたね。
またこれからもたくさんのコンクールがありますが、
コンクールについて一言書かせて下さい。
何の為コンクールがあり、何の為に受けるか分かっていなければ
大変傷つくものだということですね。
記録と違って正しいジャッジはありません。
例えば、評価されている絵画などでも素人目には、
幼稚園児が描いたものと区別できないようなものもありますね。
そこまでではありませんが、自分が良いと思っても、
必ずしもそれに見合った結果が出るわけではありません。
それぞれの審査員方の基準があるようです。
正確に弾けることが大切、感性が大切、音の響きが大切、
先生方それぞれです。
また、ミスをしてしまうと、
とても点数を悪く付ける先生もいらっしゃいます。
ただ、誰が聞いても酷い演奏に上位の点数を付ける先生はいらっしゃいませんよ(笑)
審査員が変われば順位も変わる可能性があります。
実際「?」なこともあります。 
例えば、フランス人とポーランド人の先生に、
同じ曲のレッスンを受けても片方は「素晴らしい」とおっしゃっても、
片方は「よくない」と言われます。
ではどうしてコンクールを受けるのか?
コンクールの目的は、
自分を大勢の中に置いて、自分の欠点を知り、自分自身を見直す場所なのです。
順位は関係ありません。
自分を客観的に見て、足りないところを勉強する。
進むために必要な力を得るところなのです。
それと、人生思うようにいかないことを知るチャンスです(笑)
ですから皆さん、気楽にコンクールを受けましょう。
「審査員の先生方を勉強させる」くらいに思って頑張ってほしいです。
実際、コンクールに落ち続けて、高校生ぐらいから伸びていった人も多くいます。
コンクール一位でも、ピアノを辞めた人も多くいます。
コンクールはすべてではありません。
でも、コンクールの存在はとても大切です。
コンクールをおおいに活用していってほしいです。

小さな 心の恩人たち No.1


大阪から仕事で帰ってきたらイタリアで活躍している
あづさから留守電が、ありました。
4年ぶりに帰ってきたみたいで
私の好きな赤ワインとチーズを届けていてくれていました。
慌てて電話したけれど、明日帰るとのことでした。(涙)
今回会えなかったけど、心は通じてます。
電話を切ってから今年1月イタリアに会いに行ったのを
思い出しました。
ご両親が用意した、たくさんの日本食、お小遣いを持って。
4年ぶり会った彼女は大きく成長していました。
彼女は高校1~2年のとき、進学で迷っていました。
ピアノはまぁまぁ上手いけど第一線で活躍する程ではない。
彼女は歌が大好きで歌の道はどうなのだろうと私に相談に来たので、
歌を聴いてみると悪くない。
意外とピアノより良いかもと思い、とても良い先生に紹介しました。
その後彼女の辛い日々が始まったみたいです・・・
(行ったのが遅い!)
でも持ち前のガッツで、遅まきながらもみるみる上達して、
大学、大学院と進み演奏活動を中心に活躍していたのですが、
ある日突然、自分の可能性を試すべき海外へ行く決心をしました。
生徒も教え、演奏会も出ていたのに、何が彼女を変えたのか!
その時思いましたね。
やっぱりあづさは、私と同じだと!
昔、私は沢山の生徒を教えていました。
一人30分くらいのレッスンでコンクールにも
次々入賞するのです。(生徒がコンクールで賞を
受賞すると、不思議と上手い生徒が集まってくるのです)
彼らは一言二言のアドバイスで上手く弾いてしまいます。
その上、月3回のレッスンで十分なのです。
でも、そのとき思いました。
「本当にこれでいいのか」と
本当に良い先生とはコンクールで賞を取らせるのではなく、
下手な生徒を少しでも上手にさせることではないかと、
生徒を少人数制にして、
コンクールに落ちたり、上手く弾けない生徒を上手にしようと
決心しました。
10数年前の話です。
レッスンも以前言及したように、1日がかりでした。
でも、そのお陰で今のメソッドが完成したのです。
だからこそ私にも彼女のことが分かるのです。
[私もあづさも自分に正直で,自分を信じているのだと]
彼女も、1からのスタートだったけれど
イタリアで2人の先生につき、頑張っていました(8年前のことです)
その後、私もイタリアを訪れ、エールを送ったものでした。
苦労話はいっぱい聞きました
その後パルマの音大に進み今やコンサートに追われなかなか
日本に帰れないと言っていました。
久しぶりに会う彼女の目は輝き、
私はエネルギーをたくさん貰いました。
彼女もまた私と話して未来を見て進むことを
学んだと言ってくれました。
人はお互い影響しあって、
お互い成長していくのだとつくづく思いました。
きっとそれには人との相性とか、
信頼関係とかあるとは思いますが、
私はこの様な人達からいっぱい心の財産を貰っているのだ。
恩人だ、と思っています。
あづさのご両親も、ピアノの先生としての、私との関係がなくなって
10年以上経つのに、私の好物を持って来てくれるのです。
自家製の漬物(絶品です)や、手作り野菜を持って来て下さります。
なかなか出来る事ではないですよね。
感謝しております。
また持ってきてください(笑)